昨日は朝一に調子の良いニジマスポイントを探るも、一向にアタリはなしで午前10時前位になってから日差しが強くなり、寝不足続きの頭には辛かった。そのポイントを諦めて車まで戻るのにとある瀬を歩いていた時の事。足下の浅瀬にヤマベが群れているではないか。
以前は丁度良いトロ瀬が長く続いていたこの瀬の上流、今は長大なそれはそれは本当にでかい淵なのだが、そこにこのヤマベ達は居着いていて何かのタイミングで瀬に出てくるのだろうか。ここでは見た事もないくらいの数がいるのだ。サイズはかっぱえびせんサイズから15〜20センチくらい。アクセスが大変なこのポイントには餌師もほとんど入らず、数が維持されているのかな。ま、最近はこの付近でどうした事か川鵜が目撃される事が多くなったので、ちょっと心配だけど。強い日差しと瀬を泳ぐヤマベを見ていると、ふとヤマベ釣りがしたくなった。こんな事もあるだろうと、車の中には餌ロッドとイクラが積んである。あの川へ行こう、サンル川へ。
ダムを造る事ありきで作られた、感じの悪い新しい道を通ってあのポイントへ急ぐ。あちこちで林道工事やら何をやっているのかわからない現場を見るにつけ、不愉快になってくる。本当にこの地に治水のため、水道水の確保のため、果ては観光資源にダムが必要と考えている人が何人いるのだろう?
ダム工事のために、自分たちの子孫が今後は見込めない事は知っているのか、知らないのか、今日もサンル川には沢山のヤマベがいた。
本当にこの川は可愛い。可愛いという言葉が似合う川なのだ。可愛いがそこには激しい流れも、大きな淵も存在する。しかも21世紀のこの時代に200km以上も離れた海と、ダイレクトにつながっている貴重なこの川。いっその事、世界遺産にでもしてくれないでしょうか?ね、高橋知事。ま、金儲けにはならんかもしれないけど。
木漏れ日の中で見るヤマベは本当に美しい。天然の新子ヤマベのパーマークは若干のグリーンが入っている事を知る。無垢なヤマベはイクラに簡単に反応するけど、サイズを求めようとするなら川虫が良いようだ。石を剥ぐって川虫を探すが時期的なタイミングなのか、思うように黒川虫が穫れない。黒川虫は何となくグロテスクなものだが、これが好きなのだ。やっと数匹捕まえる事が出来た。餌ボックスへストックしておき、ここぞと言うポイントが現れるまでは使わない。
土曜日曜なら結構賑わっているはずのこのポイントも、平日は閑散としている。川岸には紫色の花が今にも咲きそう。蝉も鳴いている。草がざわめくと、心臓の鼓動が高鳴る気がする。ここは山親爺の生息域。熊鈴をジャラジャラと鳴らして山親爺が出てこない事を祈ってみる。前方に大きな淵が見えてきた。

岸際は岩盤だが、その岩盤が切れて一体何メートルの深さがあるのだろう。きれいな水のおかげで川底は目視できるが、目がくらむ程に深い。そして今年もその淵にはいたのだ、海から戻ってきたサクラマス達が。

見えずらいかもしれないので、写真を加工してみた。

かなりの数のサクラマス達が、今年もこの淵で産卵の時期を待っていた。60〜70cmはありそうなくらいの者から、尺ヤマベサイズまでいる。そっと岩盤の切れ目に気をつけながら近づいてみる。すると警戒したのかスッと対岸の方へ群れが移動した。その場でじっと待っていると、次第にこちらに再び寄ってきた。ダムがなければこのような光景はどこでも見れたのかも知れないが、今ではこれほどサクラマス・ウォッチできる川がどれだけあるのだろう。この川もいずれはダムの底になって、次の世代の人間には過去の光景になってしまうのだろうか。
その淵を通り過ぎ、流れの太いポイントに着いた。脱渓点は近い。ここで今日の勝負をしようと、黒川虫を針に付けて仕掛けを流れの中へ入れる。ツンっと小気味の良いアタリが手に伝わりアワせると今までとは違った色をした、そして今日一番のサイズが釣れた。

これは、ぼろいヤマベが釣れたと最初は思ったが、よく見ると銀毛していたらしいこのヤマベ。その銀色が剥げたところからは、パーマークが見えるのだ。サイズは27cmだが体高がある訳ではなく、どちらかと言うと春先に釣れてしまうものに感じが似ている。銀毛したは良いけど、何か訳があって川に留まったのだろうか。海と繋がっている川だからこその個体かな。
脱渓点から道に出ると今までの涼しさが嘘のように暑い。歩きすぎた距離を再び歩いて車を目指した。
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