初めてこの川を訪れたのは10年くらい前。
ヤマベの餌釣りで入渓したのが最初で、その後にルアーに傾倒し始めた頃にこの大きな淵でサクラマスの群れを見た。小型のスプーンを使うと適当に
ヤマベが釣れたりユグイが釣れたりで、楽しかったのを思い出す。最初にこの川で
ニジマスを釣ったのもこの淵だったが、その数年後に驚くべき個体を目撃したのだ。あれは9月の初めで、この淵には産卵で集結したサクラマスが真っ赤はボディーで群れ泳いでいた。その様子を無謀にも写真に納めようと朝から粘っていたのだが、その群れの中にサクラマス以上の大きさの
ニジマスがいたのだ。陸からはっきりとその美しいボディーが見えて、興奮したのを覚えている。サクラマスのボスと思われる雄で恐らくは70cm以上はあったのじゃないかと思うが、その雄のサクラマスに負けないサイズだった。群れのサクラマスのアベレージが50cm位だとすれば、その推測は間違っていないと思う。明らかに大きいのだ。その光景を目撃してからというもの毎年この淵を訪れて、ルアーを投げてみるのだがそう簡単に釣れる訳はない。あの70cm
ニジマス以外にも大型の
ニジマスはいて、チャレンジするも毎回この淵では敗退。唯一釣れた大型は予想もしていなかった53cmの
アメマス。毎回この淵では驚く話があるのだが、それほど魚の密度が濃く自然が豊富という事だろうか。

その淵の下流にあった良い感じのトロ瀬に今回原稿に書いた成長していた
ニジマスがいたのだが、昨日書いた通りもはやそこは有望なポイントではなくなってしまったのだ。
ニジマスに有望なポイントが無くなってしまったという事で、今回のタックルは5.6ftに1000番リール。ラインは黄色の5lbラインが本当は良かったのだが、多分20mも巻かさっていないはずだ。サブのスプールには昨年あのクリアーな淵を攻略すべく透明系の5lbラインが巻いてある。淵では黄色のラインを見ると魚が見切っているような気がして巻きかえてあったのだが、多分上流まで踏破するならあの淵は通過するのでこれで通す事にしていた。
そして大淵。サクラマスはターゲットではない。
ヤマベはミノーについてくるだけで中々喰わない。
アメマスは稀な出来事で残るは
ニジマス達という事になるが、そう簡単に喰う訳ないのだ。なぜこの小さな川に住み着いているのかは正確なところはわからないが、とにかくこの川の
ニジマス達は美しい。しかし一度もこの淵の
ニジマスがルアーにアタックしてきた事はない。今年の正月に書いたエントリー、
2008年の目標の中で、
トップの写真の淵で毎年見かける特大レインボーに口を使わせてみたいものだ。
こう書いたが正にそれがこの淵なのだ。
しかし今日は何かいつもと違って、
ニジマスが微かにだがルアーに反応するのだ。70mmのよたよた君から始まり、80mmスリムと流していずれも喰わないにしても反応する。チョロチョロと泳いでいる新子
ヤマベを追い回したりもしている。明らかにこれは餌を探しているのだろう。50mmの新作スリムシンキングを
ニジマスの目の前を通過させてみた。僅かに追った。次にカラーの問題もあるかもと唯一ナチュラルな
ヤマベに塗ったシンキングを、派手にトゥイッチさせながら目の前を通過させてみると、追っては来たがやっぱり喰わずにUターン。ここまで10回程その
ニジマス相手にキャストをしたが、気がついたのはミノーが着水した時に反応することだ。そしてミノーの潜行深度にもよって、追いの深さが違う。
場を休めるために、念のためキャストの邪魔になる草を踏み固めた。邪魔な枝も、こちらの気配を感じさせないように数本折った。幸いサクラマスの群れは散っていない。55mmシンキングを再び
ニジマスの目の前に着水させる。リトリーブしないでシェイキングを絡ませながら、フォーリングさせる。ジッとその
ニジマスはシンキングミノーを見ていたが、ある深さに到達した時に大きく口を開けた。そして何の違和感も無く喰らいついたのだ。しかし、ロッドに重みを感じないし
ニジマスもごく普通にしている。外れかなと思いながらもアワセを入れた。次の瞬間にやっと針が食込んだのか
ニジマスが首振りを始め、いきなり猛ダッシュで住処と思われる深場目指して走り出した。渓流専用の1000番リールからあれよあれよと言う間にラインが出て行く。5.6ftのロッドも当然根元から折れそうなくらいに曲がっている。トンでもないものを掛けてしまったものだと、半ば諦めつつも勝負する。出て行くラインを少しでも減らすために、走らせつつも指でスプールを軽く押さえて耐える。ここでラインを巻いては絶対に切られる事間違いない。
対岸の深場目指して走っていた
ニジマスが、今度はこちら側の柳の密集している辺りに走る。足場は草を踏み固めた足下のみ。あとはウエーディングするしかないのだが、足下はドン深で僅かに岩が張り出している。このままの体勢ではあの枝にラインを巻かれてラインブレイク間違いなし。意を決してその僅かな足場を提供してくれる岩に乗った。軽く腰以上に深さがあったが、まだルアーも外れずにラインの先には
ニジマスがいるようだ。ムシムシとした空気の中、体全体が緊張で固くなるが、ここで勝負に出ては負けだ。再び出てくるのを待っていると、オモムロに淵の中間辺りに出て派手なジャンプ一発。そしてグングンと首を振るのがロッドに伝わる。何度か走られるが無駄なリーリングはせず奴が疲れるのを待った。動きが大人しくなり、勝負所だとロッドを何とか煽って寄せにかかる。抵抗はするが先ほどまでのパワーは感じられなくなり、次第にこちらに有利な状況になったが油断は出来ない。幸運だったのはいつものデカランディングネットを持ってきていた事。射程範囲に入ったときに一度目のランディング。しかし、失敗。思ったよりデカイのだ。再び走られたがすぐ寄せられた。そして遂に2度目のランディングで勝負はついたのだ。

遂にこの淵で勝負出来た。サイズは65cmの立派な
ニジマス。

今年のプレゼントルアーになるのは、この55mmのシンキングミノー。

背中のグリーンも美しく、

油鰭すら立派。
遂にこの淵で
ニジマスと勝負出来た。そして新年の目標も達成出来、しかもサイズは自己新記録の65cm。何より嬉しいのは愛竿のスミスの5.6ftで勝負出来た事。このロッドとは本当に相性が良くて、想い出がありすぎる。そしてリールも初代シマノ・バイオマスターmg。トラブルも無く良く働いてくれた。全てが今日は自分に味方してくれた気がして、これで満足。この川の神様に感謝して、再びジャングルをくぐり抜けて車へ戻るのだった。ジャングルを抜けると一気に暑さが体を襲った。
それでは65cm
ニジマス動画をど〜ぞ〜!
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